図書館司書として働くにあたり、国家資格である図書館司書資格の有無は採用に大きな影響を及ぼします。
私も図書館司書資格は持っていますが、大学図書館司書を目指す方で図書館司書資格をお持ちでない方も多いかと思います。
今回は大学図書館司書という仕事に図書館司書資格が必須であるかどうか、図書館司書資格を取るにはどんな方法があるかをざっくりとですがお話していこうと思います。
図書館司書資格は必須ではない
まず結論から述べますと、大学図書館で働くのに図書館司書資格は必ず必要というわけではありません。
図書館司書資格は国家資格ですが、図書館で働くこと自体に司書資格は必須ではありません。
しかし、採用情報の必須資格の欄に「図書館司書有資格」と明記している図書館もありますので、募集ごとに確認が必要です。
また、図書館司書資格が必須ではなくても有資格者の方を優遇して採用したり、給与が資格の有無で変わってくることもあります。
そのため、「大学図書館司書に図書館司書資格は必須ではないが、持っていた方が圧倒的に良い」と考えた方が良いでしょう。
図書館司書資格を持っていることのメリット
図書館司書資格を持っていることによって採用が優遇されること以外にもメリットはあります。
というのも、図書館司書の仕事は少なからず専門的知識を必要とするからなのです。
例えば本を配架する時、本棚はどのような順番でならんでいるかご存知でしょうか?
多くの図書館は「日本十進分類法」という図書館分類法を採用しています。
資格を持っていれば全部は覚えていなくても「0類は図書館学、140は心理学……」などなんとなくは覚えているはずです。
他にも新着本が来た時にどのように目録を付けるのか、「レファレンス」とは何なのか、データベースの種類や使い方についてなど、覚えることはたくさんあります。
これらのことは働きながら覚えることはもちろん可能ですが、始めから知っているといないとでは仕事のスタートダッシュに大きく差が出てしまいます。
図書館司書資格を持っているということは、採用担当側が楽というのと同時に、働く側の私たちが仕事に慣れるスピードがそれだけ速くなるということです。
大学に限らず図書館司書を目指す方にはぜひ取得をお勧めしたいです。
図書館司書資格を取る方法
それでは図書館司書資格の取得方法をご紹介します。
大きく分けて2通りあります。
どちらもそれなりに費用がかかってしまうので、ご自身に合わせた方法を考えてみてくださいね。
1.大学・短大で必要科目を履修し卒業する
大学や短大の授業で図書館司書資格を取得できるコースがあります。
大学で学びながらコースを履修し、卒業すると司書資格の証明がもらえます。
私はこの方法で資格を取得しました。
大学の学費とは別に3万円ほど受講料がかかりますが、大学の在学期間中に資格を取得でき、就活にも活かせるのが強みです。
すでに大学を卒業してしまった人、働きながら資格取得を目指したい方は通信制の大学で司書資格を取得するのがおすすめです。
通信制で図書館司書コースを開講している大学は意外と多いのですが、おすすめは八洲学園大学です。
通信制の大学は基本的にオンラインで授業を行うのですが、どうしても何科目かはスクーリングで取得する必要があり、大学に通学しなければいけません。
しかし八洲学園大学はスクーリング科目もオンライン動画になっているため、一度も通学しなくても資格を取得することができます。
正科生として卒業を目指すこともできますが、司書課程の科目のみ履修する科目等履修生での入学がおすすめです。
大学の時取り逃した単位があるかたもこちらで補完できますね。
費用は25万ほどと高額ですが、教育訓練給付金の対象講座なので申請すればハローワークから多少の支援が受けられます。
最短半年、通学なしで図書館司書資格を取得できるため、働いている人や主婦の方、遠方に住んでいる方にもおすすめです。
資料請求はこちらから↓
2.司書講習を受講する
短期間で集中して資格を取りたい方は司書講習がおすすめです。
司書講習は2ヶ月ほどの短期間に司書講習を開講する大学に通学して科目を取得するコースとなっています。
およそ夏・冬に開講されており、費用は15万円ほどです。
大学で履修するより短期間に資格を取得できるので、急いで資格を取りたい人におすすめです。
大学によって募集人数や詳細が異なるので、興味のある方は大学のHPを見てみてください。
毎年文部科学省が司書講習を開講する大学の一覧を出してくれているので、それを参照するといいでしょう。
令和3年度司書及び司書補の講習について:文部科学省
一つ問題なのは、司書講習は大学・短大・高等専門学校を卒業した方でないと受講できないということです。
高卒・中卒の方は司書補講習を先に受け、司書補として現場で2年働いてからでないと司書講習を受けることができません。
司書補講習も司書講習とセットで開講していることが多いので、チェックしてみてください。
受講資格の確認を忘れないようにしましょう。
採用時に図書館司書資格は必須ではないが、就業しながら取得を目指すケースも多い
図書館司書資格を持っていない方は大学図書館で働けないかというと、決してそうではありません。
図書館司書は利用者やスタッフとのコミュニケーションも大事ですし、大学図書館では英語や専門用語など、その大学の特色となる学術知識も必要になります。
図書館司書資格を持っているから絶対採用されるとか、良い図書館員になれるというわけではありません。
しかし、図書館司書を名乗る以上は図書館司書資格は有しておくべきだとは思います。
図書館に対する知識を知っておくことで、きっと業務の幅も広がるはずです。
採用時には資格がなくてもいいという会社も、就業中に通信制や司書講習での図書館司書資格の取得を勧められることもあります。
司書として働くうえでいつかは取らなければならない資格だとは思うので、ご自身の良いタイミングでぜひ取得を目指してみてください。
コメント