こんにちは!某私立大学で図書館司書をしているmizと申します。このブログでは現役の大学図書館司書の目線で大学図書館でのお仕事の特徴や内容などを細かくお伝えしています♪
まず図書館司書を目指す方の多くは、お住まいの自治体にある「公共図書館」で働くことをイメージするのではないでしょうか。より身近で利用しやすい公共図書館に比べて、大学図書館は大学に在学している間しか利用しませんし、中には入ったことすらない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、私が感じる大学図書館と公共図書館の違いを大学図書館司書目線で見ていきたいと思います。それぞれの特徴を踏まえて、どんな図書館で働きたいのかイメージしてみてくださいね!
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違いその1:利用者層
大学図書館と公共図書館はまず利用する人々の層が大きく異なります。
大学図書館というのは、多くの場合はその大学の施設内に設置されていて図書館を利用できる人もその大学に所属している学生がダントツに多いです。また、大学で教鞭をとる教員も自分の研究をしなければいけないので図書館をよく利用します。
大学によっては、学外の地域住民の方や他大学の学生・教員なども利用が可能ですが学生に比べると多くはありません。子どもに関しては、中学生以下利用禁止など年齢制限を設けている大学図書館もあります。
一方で、公共図書館は子どもからお年寄りまで老若男女が利用することができますよね。これが大学図書館と公共図書館の利用者層の違いです。
CHECK!! 大学図書館と公共図書館の利用者、ココが違う!
- 大学図書館は学生・教員が主な利用者
- 大学図書館は地域の人に開放していることもあるが、子どもは入れないことが多い
- 公共図書館は老若男女、子どもからお年寄りまで利用ができる
違いその2.蔵書構成
大学図書館というのは、大学の学習や研究を助けるために設置されている施設です。そのため、所蔵されている資料も学習に使えるものを多く置いています。
例えば、学生のためにレポート課題の参考になりそうな本だったり、資格取得や就職活動、自主学習などで使う本がよく求められます。また、その大学に置かれている学部や教育方針(カリキュラム・ポリシー)に則した蔵書を収集します。
例えば、医療系の大学だったら医療系の資料を充実させたり、芸術系の大学だったら楽譜や資料集などを置いたりします。その大学によって蔵書構成がまったく異なるのも大学図書館の特徴といえますね。
同じ図書館でも大学によって蔵書は全く違うのでびっくりしますよ!
公共図書館では話題の小説や文庫本、絵本などがよく借りられているイメージかもしれませんが、大学図書館はそういったエンタメ系の資料の割合は少ないです。どうしても学習用・研究のための資料が多くなってしまうからです。
とはいえ、本を読むことは豊かな人間性を築く一つの方法ですので小説などを含め多種多様な分類の本を蔵書するように努めている大学も多いかと思います。
また、公共図書館は地域に根ざす図書館ですのでその地域の郷土資料などは大学図書館よりも多く収集しています。
大学の規模などによって図書館の蔵書構成は大きく変わってくるので、大学図書館で働きたい方は自分が行きたい大学はどんな学部があるのか、どんな特色の大学なのかをリサーチするのも大事ですね。
CHECK!! 大学図書館と公共図書館の蔵書構成、ココが違う!
- 大学図書館は学習や研究のための資料や参考書がほとんどを占めている
- 大学の規模や教育方針によって所蔵する資料の分類が大きく異なる
- 公共図書館に比べると小説は少ない
- 地域資料は公共図書館が強い
違いその3.休館日
まず皆さんは公共図書館の一般的な休館日は月曜日だということをご存知ですか?土日は学校や仕事がお休みの利用者のために開館していることが多いんです。
一方大学図書館は、大学の学生や教員向けにサービスを供するため大学のカレンダーに準拠します。
したがって多くの大学図書館は平日に開館し、日曜日は休館という形を取っています。
しかし最近の大学図書館は地域の人や他大学の人も使いやすいようになってきていますので、大きな大学の図書館はシフト制で土日も開館しているところもあります。
どこの図書館もHPなどに図書館の開館カレンダーをアップしていますので、働きたい大学図書館があったらカレンダーをみて開館時間をチェックしてみてくださいね。
ちなみに大学は夏休みと冬休みが1ヶ月以上あったりするなど長期休暇が長いイメージがあるかと思いますが、長期休暇期間でも図書館は開館しています。
授業自体はお休みでも、先生方や院生さんがご自身の研究を進めたり卒業論文などのレポートのために学生さんが図書館を利用することが多いからです。
この長期休暇期間が意外と忙しかったりするんだよね……。
ただ、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの大型連休期間は一般企業と同様にお休みを取ることが出来ることが多いのでご安心ください♪
CHECK! 公共図書館と大学図書館の休館日、ココが違う!
- 公共図書館の一般的な休日は月曜日
- 大学図書館は大学のカレンダーに合わせるため、日曜日などは休みが多い
- シフト制で土日開館している大学図書館もある
- 長期休暇期間も開館している
- GWやお盆、年末年始などはお休みのことが多い
違いその4.目的
最後は上に挙げた3つの違いをまとめるような形になりますが、図書館を設置している目的の違いです。
まず公共図書館の光景を思い浮かべると、子どもが読み聞かせをしてもらっていたり、お年寄りが新聞を読んでいたり、学生が勉強に打ち込んでいたりと老若男女の利用者がいろいろな図書館サービスを受けているのが想像できます。
一方で大学図書館、と聞くとどんなイメージがあるでしょうか?
ここですこーしお硬いですが、大学設置基準における図書館の項を見てみましょう。
(図書等の資料及び図書館)
第三十八条 大学は、学部の種類、規模等に応じ、図書、学術雑誌、視聴覚資料その他の教育研究上必要な資料を、図書館を中心に系統的に備えるものとする。
2 図書館は、前項の資料の収集、整理及び提供を行うほか、情報の処理及び提供のシステムを整備して学術情報の提供に努めるとともに、前項の資料の提供に関し、他の大学の図書館等との協力に努めるものとする。
e-Gov法令検索
大学図書館は、大学という教育機関の中の一部であり、大学の学びをサポートするための施設です。
もちろん資料の保存と提供という図書館としての機能はあるのですが、学生・教員の学習活動と研究活動をサポートすることがメインとなっています。
大学図書館は公共図書館以上に「学習・研究」という目的が強いのです。
年齢や目的を問わず幅広い利用者層に平等にサービスを提供する公共図書館に対して、大学図書館はより限定的に、学術的なサービスを提供する立場にあると言えます。
CHECK! 大学図書館と公共図書館の目的、こう違う!
- 公共図書館は幅広い利用者に平等に様々なサービスを提供する
- 大学図書館は大学の学習・研究をサポートするサービスを重点を置いている
- 資料の提供・管理・保存という図書館自体の目的は同じ
まとめ
公共図書館と大学図書館の違いを少しでも理解していただけたでしょうか?
まとめるとこのような感じです。
1.公共図書館は幅広い年齢層が利用できるが、大学図書館は学生・教員が利用のほとんどを占めている。
2.公共図書館は小説や一般書・絵本や郷土資料など幅広い種類の資料が置かれているのに対し、
大学図書館は設置学部にかかわる専門書・研究書・参考書が多い。
3.公共図書館は一般的には月曜日が休館だが、大学図書館は土日が休館日であることが多い。
4.公共図書館はどんな人でも平等に様々なサービスが受けられるのに対し、大学図書館は学習・研究をサポートすることに重点を置いている。
こうしてみると、同じ図書館でも働き方がだいぶ変わってくるように感じませんか?
司書を目指したい方は、まず自分がどんな図書館で働いてみたいのかイメージを持ってみましょう。就活でも企業研究が大事といいますが、図書館のことを知るのも司書になるための大事なポイントだと思います!
大学図書館司書として働きたい方の、イメージの参考になれば幸いです♪
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